ポイント
MR(医薬情報担当者)ではない人生を考える事としたのは良いですが・・。
自分のやりたい事を考えましたが具体的には思い浮かばず、リスクマネジメントの観点から、当面は自己研さんに努める事としました。
サラリーマンとして、MR(医薬情報担当者)としての人生を続ける事に漠然と疑問を持ち始めるのですが、実際の所は割と精力的に仕事を行う毎日が続きました。まあ当時の仕事というと飲み会的なもののシェアが結構高かったのですが。
人生の終着点を考えた上で乗るレールを決めるというのは、言ってみれば理想の人生を考えるという事なので、恥を顧みずに言うと、
出来るだけ楽をしたい。
何不自由のない生活をしたい。
という事になってしまいます。
いきなり大金を手に入れるようなイメージですが、これを人生の目標にする訳にも行きません。
結局、人生の終着点を考える上での前提として「社会貢献をする」事が必要になります。
そこで、「社会貢献」と「自己満足」という相反しそうな要素を両立するために自分はどのレールに乗るのかを考えました。
一方で会社を辞めるのはリスクなので「リスクマネジメント」の観点から選択肢を整理しました。
リスクマネジメントで言うところの「リスク」とは、
将来のマイナス要素の「発生確率」×「発生した時の影響度」です。
そして、分析し評価した「リスク」について対応を考える事となります。定量的な評価は難しいですが、この段階で私が考えた選択肢についてリスクを考えてみます。
1.現状維持(MRとして働き続ける)
ポイント
顧客ニーズの観点から若手に取って代わられる。
市場ニーズの観点からMRの人員規模は縮小していく。
社内でのキャリアチェンジや出世は狭き門で実現可能性が低い。
他職種に必要な知識が身につきにくい。
2.同業他社(MR以外)に転職する。
ポイント
CRO(治験)や調剤薬局などが当時一般的だが、いずれも年収が下がる。
環境変化に適用できない。
転職後のキャリアプランを描きにくい(ずっとその職種のまま)。
やってみたが自分のやりたい仕事ではない。
3.異業種に転職する。
ポイント
年収はまちまちだが転職当初は年収が大きく下がる。
大きな環境変化に適用できない。
やってみたが自分のやりたい仕事ではない。
4.会社を辞めて何かの勉強を始める。
ポイント
年収が0になる。
例えば難関資格に挑戦したとして何年かかるか、合格できるか分からない。
自分のやりたい仕事につながるか分からない。
失敗しても再就職できるか分からない。
上記の各項目について自己評価でプロットしてみると以下のようになりました。
結果、将来についての具体的なイメージを持たない状況での転職はリスクが大きいといいう結果になりました。
唯一「退職」のリスク発生確率が低くなっているのは・・勉強が失敗する可能性を低めに見積もっているからです(合格するまで諦めないので。)。
では、現状にとどまる(=リスクの「保有」という対応策になります。)のが上策かというと、年齢と共に現状維持のリスクは増加していく事は明らかです。
一方で他の選択肢は年と共に「選択できない可能性」が高くなっていくので(リスク以前の問題)・・現状維持のリスクを受け入れる以外の選択肢はなくなっていきます。
30代半ば以降のサラリーマンが会社の文句を言いながら勤務を続けるのは、リスクマネジメントの観点からは「リスクを保有し続けた結果」と言えますね。
ではどういう対応をするべきでしょうか?
まず、リスクへの対応方法をまとめてみます。
step
A保有
いわゆる「現状維持」で、リスクが現実のものとなっても受け入れる事です。
step
B移転
保険などでリスクが現実となった時の損失を転嫁する。リストラに備えて失業保険に入ったり転職先を確保しておく等が該当します。
step
C回避
転職や退職により現状のリスクから回避できます。ただ、上記にあるような他のリスクが新たに生じる事となります。
step
D低減
リスクを減らす対策を講じます。
現状のリスクを回避すると、グラフに示したようにより大きいリスクを抱える事となり現時点では得策とは言えません。
移転については、金銭的なリスクについて保険などで担保し、やりがい面については趣味などで担保する人もいるかも知れません。そういう生き方も選択肢の一つですね。
ただ、このタイミングで一番無難な選択肢は「リスクの低減」だと考えました。
具体的には「上司にごまをすり付け届けを欠かさぬようにする。」事で「出世できない。」「リストラされる。」リスクを減らす。
ではなく、
「仕事以外の勉強を開始する。」事で「他職種に必要な知識が身につきにくい。」というリスクを減らす。
としました。
そんな事をもやもやと考えているタイミングで、とある上司から「仕事の隙間時間で簿記を勉強しており、税理士試験を目指している。」というような話を伺いました。
その先輩は普段、どちらかと言うと学術的な雰囲気を前面に押し出していない方(すいません。)と思っていたのでインパクト大でした。
将来への不安を感じつつ新たな知識に飢えていた私も、早速簿記の勉強を始めたのでした。
メモ
教訓:リスクの観点から取るべき行動を考え実行する。
独立や転職は人生の大博打ですが負ける訳には行きません。確実に勝てるよう、少ないリスクで実行できることを1つずつ潰す事が大切です。